名古屋に観光地がないって本当?【名所紹介その6】
名古屋名所紹介〈その6〉
こんにちは、広小路キッチンマツヤです。
モノづくりの街として大きな発展を遂げた名古屋には観光地や観光名所が少ないと言われてきました。かく言う名古屋人が今でもそう思っています。かつては全国主要8都市の魅力度ランキングで最下位を、それも2年連続で獲得したこともあります。
▼「名古屋は行きたくない街」2年連続“魅力度”最下位のワケは?市の担当者に聞いてみた
https://www.fnn.jp/articles/-/5540
2018年度の「都市ブランドイメージ調査」ですが、これを最下位獲得の名古屋市が発表したことも当時は話題になりました。この自虐を当然のように受け入れている名古屋人でしたが……そこから数年を経た現在はどうなっているのでしょうか。
▼市区町村魅力度ランキング(地域ブランド調査2021)
https://news.tiiki.jp/articles/4698#
「地域ブランド調査2021」という、1000の市町村を調べた2021年のランキングで名古屋市は25位でした。1000の市町村で25位なら大健闘じゃないですか。ちなみに主要8都市では東京や大阪を抜いて6位になっています。まぁ、前回の調査(19位)から下がっているのが気にはなりますが、東京・大阪を抜いているなら名古屋人は大喜びでしょうw
実は、じんわりと観光人気が増しているんです!
頑張っているんです名古屋!!
そんな、名古屋人も気づいていない名古屋の魅力とは何でしょう。
「じゃらん」のニュース記事を引用しながら紹介して参りましょう。
▼実は名古屋には日本の「NO.1スポット」がいっぱいあるって本当!?
https://www.jalan.net/news/article/331181/
◆徳川美術館
名古屋城、科学館、水族館、動物園、(ついでに地下鉄)とシリーズで紹介して参りましたが、ここでちょっと「知る人ぞ知る」的なスポットをおすすめしてみましょう。なごやめし(名古屋名物)で例えるならば、ひつまぶし、味噌カツ、手羽先唐揚げ、天むすと紹介してきたけど「あんかけスパ」もあるでョ、的な感じでしょうか。
井伊家を愛する近江の方々が『井桁』の旗印を愛でるように、武田家を敬う甲斐の方々が『武田菱(四つ割菱)』の家紋を崇めるように、真田家に心酔する信濃の方々が『六文銭』の家紋を誇るように、そして島津家に畏怖の念を覚える薩摩の方々が『丸に十字』の家紋に特別な思いを抱くように、尾張名古屋の民はなかなかできません。
尾張の殿様は…………徳川家…………御三家筆頭の尾張徳川家です。
さすがに筆頭と称されるだけのことはあった六十二万石もの大大名でしたし、家紋は言うまでもなく『徳川葵(丸に三つ葉葵)』…………あまりにも畏れ多いのと、徳川家と葵の御紋が江戸のイメージに直結することから使いにくいんですよね。
その代わり、と言っては何ですが、名古屋市の市章にも定められている『丸に八の字』から8が大好きな名古屋人であります。これは尾張徳川家が合印(略章)として用いていたものです。
そのため、名古屋のお店では「8周年」が存在します。5周年も10周年もお祝いし、記念イベントを行いますが、その間に8周年もお祝いしちゃうのが名古屋です。他にも毎月8のつく日(8日・18日・28日)に何かしらのサービスを行うお店も少なくありません。
他府県の方々は首を傾げるかもしれませんが、名古屋人だけは8絡みの記念イベントに何の違和感も抱きません。末広がりで縁起が良い、というだけでない名古屋独特の特別な数字、それが8なのであります。
※画像は徳川美術館公式サイトより
ちょっと脱線した話題を戻しますが、徳川美術館で最も有名な所蔵物と言えば『源氏物語絵巻』でしょう。教科書で源氏物語と言えば挿絵として出てくる、おそらくほとんどの日本人が源氏物語と聞いてイメージする、あの絵画は徳川美術館が(全部ではありませんが)資料提供しているものと言えます。
当然ながら国宝に指定されており、特別展示が行われることもあります。
そして、刀剣女子の皆様ならあるいはご存じかもしれませんが、約700振りと言われる徳川美術館の刀剣所蔵品数は日本一です。
その多くが国宝および重要文化財に指定されており、古くは平安時代にまで遡る古刀も所蔵しています。
最後に豆知識をひとつ。徳川美術館の運営は名古屋市ではありません。尾張徳川家伝来の美術品・文献資料等の収集・保管や一般公開を行い、美術や史学の研究に資することを目的とした「公益財団法人徳川黎明会」が運営する私立の美術館であります。
名古屋人にとっては、尾張徳川家の旧蔵書を中心にした公開文庫である『蓬左(ほうさ)文庫』(運営は名古屋市)が併設された複合施設『徳川園』の中にあるのが徳川美術館であり、名古屋随一の私立進学校である東海中学校・高等学校の近くにある施設といった印象の方が強いかもしれません。
蓬左:江戸時代に使用された名古屋の別称。
徳川美術館へのアクセスですが、これまた名古屋らしく、正直に申して抜群に良好!とはちょっと言えません。地下鉄・JR・名鉄瀬戸線が乗り入れる「大曾根」駅南口より徒歩10分……地元感覚ではもう少しかかるかな、という気もします。
市バスの方が近くて、なごや観光ルートバス「メーグル」だとベタ着けしてくれますが、名古屋駅から約35分を要します。
路線バスだと名古屋市営バス・名鉄バスの「徳川園新出来」停留所より徒歩3分ですが、この路線バス、複雑怪奇にして初見殺し。地元民以外は使わない方が良いと恐れられる(?)、地元民でも正直あんまり使いたくないなぁと感じている(?)出来町通にある「基幹バスレーン」を使いますから、「このバス、一体どこを走っているんだ」という、それはそれはビックリ仰天なオモシロイ景色が見られると思いますよ。
※大人の鉄道旅行チャンネル様の動画をお借りしました。
◆名古屋観光グルメにおすすめの書
まっぷる 名古屋 '23(昭文社)
名古屋旅を楽しむ観光ガイドブックの最新版。巻頭別冊付録は、2022年11月1日開業で話題の「ジブリパーク&周辺スポットガイド」で必携の一冊。
るるぶ 名古屋 '23(JTBパブリッシング)
「なごやめし」の名店から、最新の見どころ情報までバッチリ掲載!
電子レジャーチケット「500円クーポン」でお得旅。
ことりっぷ 名古屋(旺文社)
「かわいい名古屋」、「おいしい名古屋」、「たのしい名古屋」の3テーマで名古屋をご紹介。
おとな旅プレミアム 名古屋 第3版(TAC出版)
歴史と文化を掘り下げ、本当に美味しいものに出会う。
上質を極める「おとな」向け旅行ガイド。
大人の名古屋 Vol.58(CCCメディアハウス)
創刊20周年スペシャル企画!
2022年の最新レストランで味わえる大人の名古屋限定!
名古屋の酒場(著:大竹敏之、星雲社)
名古屋の酒場ガイドの決定版!!
おじさんが一人で気兼ねなく呑める店を酒好きなフリーライター大竹敏之が厳選!全80軒すべてを新たに撮り下ろし。老舗酒場から立ち飲み、カルチャー酒場まで、常連になりたい名店が満載。
名古屋の喫茶店 完全版(著:大竹敏之、星雲社)
ナゴヤの喫茶文化はますます面白い。レトロな喫茶、自家焙煎から、最新店まで。老いも若きも魅了する名古屋喫茶を一冊に。一度は訪れたい厳選100軒を掲載。